lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

顔がいのち。

「人形は顔がいのち」吉徳大光
・・・ではなくて。
先日社会情報学フェアに行った時,以前に比べ京大のキャンパスが随分きれいになっているのに気がつきました。
京大といえば(lionusにとっては)折田先生(笑)なので(折田先生を讃える会を参照),きれいだとか整っているだとかいうイメージが無かったので,意外でした。
フェアの会場となっていた時計台周辺しか見ていないので,もしかすると全体としては違うのかもしれませんが,ともかくも時計台そのものは美しかったです。時計台内にはフレンチレストラン,正門そばにはレンガ造りの建物に大きな窓ガラスの明るいオサレなカフェレストランもありました。
従来,国立大学はできた当初は「きれい」でも,その後のメンテナンスをしない・・・もちろん破損したら直すでしょうが,経年劣化により「汚く」なったらきれいにする,などという発想がないように思っていました。
lionusの母校(現在も所属)は私学ですが,それはそれは美しいキャンパスで,院生になってあちこちの大学に学会等で行くたびに「やっぱりうちの方がきれい!」と内心ガッツポーズ(?)しています。美しさの秘訣は,建学時の設計コンセプトが優れていることはもちろん*1,継続して「お色直し」を怠らないこともあると思います。毎年夏休みはキャンパス内のどこかで必ず壁塗りなおし等,「お色直し」工事がなされています。
なぜ多大なコストをかけて美しさを維持する必要があるのか。
つまり,lionus母校は「顔がいのち」なのだと理解しています。もちろん「売り」はそれだけではないと思いますが,田舎の高校生が見学に来て「たまげて」「幻惑」されるだけの美しさは大学の大きなアピールポイントであることは確かです。
日心でO村先生とお話していた時にも,「昔集中講義で呼ばれたことがあるけれども,きれいで感じのいいキャンパスでねぇ・・・」と,とても懐かしそうに語っておられ,そういった好意的なイメージで見てもらえるのは大変有難いと感じました。
2004年から各国立大学は独立行政法人のひとつである国立大学法人となり,予算は国からもらうのは従来どおりとはいえ,余ったお金をどう使うかについては各大学の裁量に任せられる部分が大きくなったようです。もちろん利益をあげることが第一目的ではないにしろ,各大学が競争して自分で何とかしなさい,という部分も大きくなりつつあるようで,その「競争」のための武器として「美しいキャンパス(顔がいのち)」というのもありなのかな〜と,しばし考えました。

*1:建築の分野では有名らしいです。