動物は身近なお医者さん―アニマル・セラピー/アニマル・セラピーとは何か (NHKブックス)(アニマルセラピー(3)。)
- 作者: 日本動物病院福祉協会
- 出版社/メーカー: 廣済堂出版
- 発売日: 1996/11/01
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- 作者: 横山章光
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 1996/12
- メディア: 単行本
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さほどボリュームはありませんが(参考文献も含め238ページ),アニマル・セラピーとは何か,その効果と効果の背景に考えられるもの,人と動物との関係,ペットロス,アニマル・セラピーを始めるについての助言,といったことについて,簡潔明瞭ながらまんべんなく目配りされた記述がなされています。
- 動物(ペット)には社会的相互作用の触媒効果がある。
- 動物による効果は,生理的効果,心理的効果,社会的効果の3つに大別される。
- 動物の思いやりとは*1・・・動物は相手の発する信号や反応に敏感であり,「普通でない」個体を見分ける能力が高い。そして「普通でない」個体に対しては保護(攻撃の場合もある)する傾向がある。また,「普通でない」個体への好奇心から接近や接触を試みることもある。これらの行動が人間からみると「思いやり」に見えることもある。
- 精神神経系,内分泌系,免疫系はそれぞれ独自に働くのではなく,互いに連絡を取り合って密接につながっている(心と身体の密接な関係,精神神経免疫学)。
- (1)ストレス下の動物では効果的なセラピーにならない,(2)動物にストレスを与えている人間の態度は患者にいい影響を与えない,(3)動物を粗暴に扱うセラピストが,患者をも粗暴に扱う可能性は高い,(4)動物に対する粗暴な態度は,いずれ周りへとエスカレートする。
- 「新しい動物を飼うことは,前の動物を忘れることではありません。(中略)その一歩が踏み出せないのは,前の動物に悪いと思っているのではなく,「一緒に暮らして楽しい時代もあったことを都合よく忘れて」,自らが「動物の死に出会い」傷つくのをおびえているだけなのです。」
*1:例えば集団でイルカに会いに行ったとき,イルカがその中の病人や障害者を選んで接しようとする。