lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

原爆症第1号症例。

<原爆症1号カルテ>英訳の報告書発見 症状経過克明に

広島で被爆し、世界で初めて「原子爆弾症」と診断された女優、仲みどりさん(1945年に死去)のカルテの大半を英訳した報告書が、広島大学原爆放射線医科学研究所(原医研、広島市)に保管されていることが31日分かった。
(中略)
報告書は、終戦後に日米の研究者で編成された合同調査団がまとめた文書で、73年に米ワシントンの陸軍病理学研究所から日本に返還された資料の一つ。東京大学付属病院で仲さんの血液検査にかかわり、カルテの行方を捜し続ける医師、白戸四郎さん(82)=神奈川県綾瀬市=が確認した。

1973年に返還されて,30年以上経った頃に分かるというのも気の長い話ですが,それだけ資料が膨大で整理が追いつかないということかもしれません。

仲さんの場合、被爆2日後の45年8月8日に列車で、東京に逃げ、同16日に東大病院に入院。十分な診察に基づくカルテ作成が可能だった。しかも同24日に死亡した直後に解剖も実施された。後に「原爆症第1号患者」と言われるようになったが、東大病院に保管されているはずのカルテが消え、学者や医師らが「幻のカルテ」として行方を捜している。

仲さんのことは当時の新聞記事にもなり(新型爆弾が落ちた広島から命からがら避難してきた女優が,無傷なのに不可解な症状を発して東大病院で死亡した,という扱い)有名な話でしたが,カルテそのものは行方不明だったとは。下記はその失われたカルテの追跡記事です。まだ連載中なので,これから東大病院に保管されているはずのカルテが「流出」した経緯の焦点へ迫ってゆくのかもしれません。
毎日新聞「夕刊すとーりー」
ヒロシマから60年 幻のカルテを追う
以下は女優仲みどりのプロフィールと写真。
仲 みどりの部屋