lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

土星と研究

7月17日に獅子座に土星が入ります。土星の公転周期は約29年ですから,29年ぶりの獅子座土星になります。怖いです。サターンリターンの時には,自覚できるような”何か”はなかったのですが,今回は獅子太陽ー蠍月のスクエアというネイタルの”傷”に圧力をかけてくるので,本当に怖いです。その上,現在水瓶座には海王星もあり,ネイタル太陽・月を含めたTスクエアが出来上がるのです。かなりきついはずです。
ところで,アンテナに入れている柳田充弘の休憩時間 Intermission for Mitsuhiro Yanagidaの「匿名レフェリーとの対話」(3月29日)の記事を読んで,学術雑誌の「レフェリー」は,土星にとても似ているところがあると思いました。

彼等の厳しい批判には、忍耐心を高めて、怒りを抑えることが大切である。意地悪だと怒ったところで、なんの足しにもならない。かれらがOKと言ってくれなければ、論文は決して日の目を見ないのだから。

そうなんです。土星は厳しく,権限を持つ者なのです。

大切なのは、批判の裏にあるものである。トーンというか、調子である。コメントには通常感情的なものは普通ないはずなのだが、でもそう受けととめがちなコメントは多い。レフェリーの全般的な判断を感じたい。一方で、表面的なコメントの調子に騙されてはいけない。(中略)だれでもこれは自分を嫌ってる人間のコメントと思いがちだが、それらが実は著者のごく親しい友人であったなどということはざらにある。

「ほんとに正直な」「匿名者のコメント」なのか,それとも何か「はっきりした理由」(悪意・底意)があるのかを見極める,というのは,それができれば土星を使いこなせるようになったといえるのではないでしょうか。

論文が通った後なら、レフェリーのコメントに対する批判を、同業者と一緒に飯を食うとき言っても良いが。それまでは用心するべき。当の飯を一緒に食べてしきりに同情してくれる相手がレフェリーだったなどということ、はよくあることだ。

うっ。lionusの現実生活でも笑えない話です・・・沈黙は金,雄弁は銀なり*1,ってとこでしょうか。
しかし,研究以外の話でも,思わぬ相手(分野,事柄)から不意打ちの致命的打撃を受けるということは多々あります。ぬかりなく用心していても,土星氏が必要と思えば容赦なく痛点を突いてきます。

それに厳しい批判は本当のところ、非常に建設的な批判であることが多い。怒る前に、本当は感謝しなければいけないのだ。

はい・・・土星への処方はこれに尽きると思います。苦悩が大きいほど,結果として得られる果実は甘いと信じるしかないですね。

*1:いやいや,この場合銀どころかくず鉄未満か?