lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

母校の思ひ出。

昨日の日記でコメントした本の著者が,自分の高校の先輩だったことから,先日某MLに流れた記事を思い出しました。
オオサンショウウオ:DNAが音楽に 広島の高校生解読

特別天然記念物オオサンショウウオのDNAを高校生が解読し、シンガー・ソングライター杉真理(まさみち)さんが、DNAの並びを楽譜に置き換えて曲を作った。曲名は「どこから来たの なつかしい 愛の調べ(D・N・A)」。生徒自身の作品を含めた全5曲がCDになった。4日夕、東京で「聴くつどい」が開かれる。

いつの間にか文部科学省の”スーパーサイエンスハイスクール”に指定*1されるなど,妙に成り上がっていて,卒業生にとっては非常な驚きです。
こんなに持ち上げられて,バカがばれたらどうするんでしょうか(苦笑)
いや,まあ,後輩が活躍するのは大変嬉しいことなのですが。
私の卒業した高校は,戦前の旧制中学にまで遡る伝統校で,大昔(現在80歳くらい?)の卒業生の多くはいわゆるエリートコースに進まれたはずです。しかし,lionusが入学した頃は,悪名高き”総合選抜制度”の故でしょうか,昔日の面影はなく,”落ちぶれて”しまっていました。一応,卒業生の大半の進路は「進学」なのですが,その内実はトホホなもので,今振り返ると当時の母校には

どこの大学に行くかというより,そもそも大学に行けるかどうかが案じられる

という状況もあったように思います。*2
そんな高校に入学してからしばらくして,学校の帰りに路面電車に乗ったところ,座席に座っていたおばさん2人が,目の前の制服姿の私を指して以下のように言いました(以下広島弁)。

おばさんA:ありゃ,こりゃ国泰寺の子よ。えらいんじゃねぇ。
おばさんB:いや,違うんよ。最近の国泰寺はバカなんよ。
おばさんA:あら,まあ,そうね。そりゃあいけんねぇ。

・・・本人を目の前にして言うか!という感じですが,タネを明かせばその時,私はヘッドフォンで音楽を聴いていたため,「聞こえない」と信じてこの2人組は好き勝手のたまわれていたわけです。
今なら「そうなんです,バカなんです。オホホホホホ。」と”実は聞こえてますよ〜”という顔をしながら言い放つ度胸がありそうですが,当時はまだ可愛げがあったので,「・・・」と気がつかないふりでそのままつり革をもって立っていただけでした。無念。
でも,猛獣(ヤンキーともいう)放し飼いの動物園のようであった公立中学ですさむだけすさんだ気持ちを,あの高校の,そこだけ時代が止まったような,のんびりとした雰囲気が癒してくれたのではないかと懐かしく振り返る気持ちがあります。
だからあんまりゴリゴリの進学校にはなって欲しくないとも思います。

*1:恐らく後述する伝統が過大に評価されたのでしょう。

*2:団塊世代に次ぎ18歳人口が最高レベルで,大学受験そのものが難しかった時代でもあったのですが。