lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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ドラッカーと論語(何でこの組合せ?)

ドラッカーと論語

ドラッカーと論語

ドラッカー1冊ほど読んだことがありますが,一番有名な『マネジメント』は読んでいません。本書ではドラッカー本を多数訳されている上田惇生氏によるものよりも,野田・村上監訳版を”より正確”と評価しているので,そちらを読んでみたくなりました。
何でドラッカーの『マネジメント』等と,孔子の『論語』なの?ということは,本書を読んでいただくとして,関係ありそうなところを引用してみます。

pp.47-48
「學而時習之」にも「フィードバックを通じた学習*1」にも共通して必要なことは,成功も過ちもすべてひっくるめて自分の身の回りに起きた出来事すべてを成長の機会だととらえることだ。
p.49
「マネジメント」とは,孔子が唱えた「政」である。では,マネジメントを正しく行う「マネージャー」は何かと言うと,これは「君子」のことだ。
p.49
「君子」とは「仁」たりうる者,つまりは学習回路が開いている状態を維持し,過ちを過ちと素直に認めて,それを修正できる者だ。「仁」でなければ,人は過ちを取り繕う。過ちを取り繕っていれば,「フィードバックを通じた学習」はできない。それでは組織は作動しない。つまり,「仁」なき者は,マネージャーたりえないというわけだ。

常に学習することにオープンであることが,「君子」=「(マネジメントを正しく行う)マネージャー」に求められる資質である,ということだそうです。このことをベースに,組織運営について説いている,という点で両者は共通している,ということだそうです。
とりあえず,ドラッカーの他にも,ウィーナーの

ウィーナー サイバネティックス――動物と機械における制御と通信 (岩波文庫)

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人間機械論 ――人間の人間的な利用 第2版 【新装版】

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本書の著者の
生きるための論語 (ちくま新書)

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超訳 論語

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とかを読みたくなりました。

*1:ウィーナーのサイバネティクスから。