lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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図解でわかる部門の仕事 改訂版 物流部(外から見て何をしているのか分からない部門のひとつかと。)

図解でわかる部門の仕事 改訂版 物流部

図解でわかる部門の仕事 改訂版 物流部

その名からどういうお仕事をしているのか,分かるような分からないような内容の部門だと思います。
最近はロジスティクスともいうみたいですね。
読んでいても,もし自分がこのような部署に配属されたら,とても困惑しそうだな〜と感じるのですが,それがなぜなのか,もやもやしながら読み進めていると,あっと思う記述に行き当たりました。
少々長くなりますが引用します。

物流というのは,決められたルールや条件の中で処理を行う管理型業務の性格と,他と交渉し新たな方向を作っていき市場に対して働きかけるという営業型業務と,先を予測し,開発を行い,新たな方法を生み出していくという開発型業務を併せもっている。メーカーでいうなら,商品・技術開発を行う「研究開発部門」と,いかに効率よくすぐれた品質のよい商品を製造するかという「生産管理部門」と,施設や機器の設計・維持を行う「工務部門」の性格を併せもっているということになる。生産部門では,この3つの部門の担当者はかなり適性が異なる。しかし,物流部においては,まだそこまで考えて部門を分割しようという考え方は出ていない。

したがって,

物流担当者は,「自ら主導的に研究し,開発を行い,現場を指導し,他部門と調整を行っていく」という主導性と,「決められた予算とサービス水準においてスムーズに商品を供給していくように管理を行う」という管理性の両方が必要なのである。つまり,物流部として主導性を発揮し,自らリードしていくという業務の遂行と,生産部門や販売部門の支援的サービスとして,バックアップに徹するという業務の遂行とを使い分けて行う必要がある。両方の性格を併せもつ人は少ないだろうが,意識して使い分けていくという心がけは重要である。

「主導性」はライン的,「バックアップ性」はスタッフ的とも読み替えられるかもしれません。
ともかく,方向性の異なる資質を要求する部門であることは確かなようで,このことこそが,自分がもしここに配属されたら困惑もやもやしそうだな〜と感じた所以かと思いました。
また,「物流」概念はせいぜい30年余りと歴史が浅いこともあり,人材不足がいわれているそうです。
そして,

企業における伝統的な組織は縦割りで機能させてきたが,物流はこれらの縦割り組織に横串をさした形で機能しなければならない。資材調達,生産,マーケティング,商品開発,販売などの幅広い知識が要求される。しかし,大学などの教育・研究機関ですら,物流を体系的に研究・教育する制度はほとんどないと言ってよい状況である。多くは,交通論,流通論,システム工学,経営情報学などの一部として扱われているだけで,米国のようにロジスティクス・物流として独立した講座はほとんど例を見ない。

のだそうです。実際日米比較調査してみないと分からないなとも感じますが,まあこの通りのような気がします。