lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

体力がないとうまく死ねないという逆説。

先日,祖母の姉,lionusにとっては大伯母が亡くなりました。
急遽仕事を休み帰広し,通夜と葬儀に出てきました。
彼女については,少し前の記事に書いています。2008年3月末まで,内科の開業医として働いていたという超絶キャリアウーマンでした。
四捨五入して90歳にもなる頃に,漸くリタイアし悠々自適なのかしらと思っていたら,この10月末に入院したということと,病名をlionus母から伝え聞き,驚きつつも少々検索などしてみたところ,長患いになるのではないかと思われ,ではいつお見舞いに行こうかと思案していた矢先の急逝でした。
ああ,油断大敵であった,意識レベル低下し見舞っても誰だか認識されなかったかもしれないとはいえ,息がある間に会いたかったと後悔しました。
その反面,もし長患いになっていたらどれだけ苦しかっただろう,急だったけれども,それだけ痛かったり苦しかったりする期間が短くて済んだはずというのは,それはそれでよかったのではないかと思う気持ちもあります。
色々と複雑な人生を送ってきた人なのですが,その複雑さに押しつぶされることなく,ひとりの人間として立派に生きてこられた人だよなあと,身内ながら内心非常に尊敬する人でした。
死ぬ時も,所謂「ピンピンコロリ」に近い形で逝ったのは,ある意味見事とも言えるかもしれないと思いました。
ところで,「ピンピンコロリ」,つまり死ぬ直前まで元気でいて,サクッと死ねるのはひとつの理想でしょうが,そのためにはある程度の体力とか健やかさが必要であるという逆説を何となく感じています。
ううううん。うまく言語化できないです・・・
が,しかし,「体力がないとうまく死ねないような気がするんだよね」と,lionus妹と母に語ってみたところ,妹が面白いことを言ってくれました。

ヨガの先生によると,上級者は「スッ」と抜けるように死ねるらしいよ

そうそう。そういうイメージなんだと思いました。
流石私の妹だ,解ってくれて嬉しいと思いました。
そして,次に連想したのは,MJ(マイケル・ジャクソン)も「ピンピンコロリ」というか,自分の死期をほぼ正確に認識していたのではないかということです。
先日(大伯母が亡くなる直前),「This Is It」を観に行ったところだったのですが,MJが公演前に「final curtain call」と言った意味が何となく腑に落ちたような気がしました。
彼は自分の死期を認識していて,だからこそ,ファンの前に現われるのはこれで最後という意味で復帰コンサートを実施する流れになったのだろうけれど,その死期が少しズレて本番のステージに立つ前に天に召されてしまったのだと思ってしまいました。
ほんの少しの誤差だったけれども,でも,かなり正確であったことは,逆にMJの凄さを認識させられたような気がしました。*1
こんなことから,ここ最近・・・如何に死ぬるか,ということについて考えさせられています。
出来ることなら,MJのようにとまではいわなくても,lionus大伯母のように,死ぬ1年前までは現役で居られて,入院してから1ヵ月以内で天に召されるような終わりを迎えたい,迎えられるだけの強さに恵まれたいと願うばかりです。

*1:MJ全盛期はあまり知らない世代なのですが・・・