人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか(客観的なイリュージョン。)
人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)
- 作者: トーマスギロビッチ,Thomas Gilovich,守一雄,守秀子
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 1993/06/01
- メディア: 単行本
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心理学的な研究により、最も多くの証拠が報告されていることのひとつに、普通の人々は自分自身について過大評価しがちであるということがある。私たちは、社会的に好ましいと思われる性格特性を充分備えていると考えがちであり、社会的に望ましくない性格特性はあまり持っていないと考えている。たとえば、一般大衆の大半は、自分が平均以上に知能が高く、平均以上に公平であり、平均以下の偏見しか持たず、そして、平均以上に自動車の運転がうまいと思っている。こうした現象は、ほとんどあらゆる領域で確実に観察されるため、ガリソン・ケイラーの小説に出てくる「すべての女性はたくましく、すべての男性はハンサムで、すべての子どもたちは平均以上」という村の名前をとって「レイク・ウォービゴン効果(Lake Wobegon effect)」として知られている。
上記の「レイク・ウォービゴン効果」を検索していたら,本書を参考文献に挙げていたページがあったので読んでみました。
人間は巧妙に自分をだましつつ,現実に「適応」しているが,しかしながらその自己欺瞞ゆえに,意図的な他者に容易にだまされてしまう,という感じだなあと思いました。
参考文献がきっちりついているので,興味があるテーマについては原典まで当たれるのがよいです。
一般的な心理学的読み物としても面白いです。