lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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東大式 絶対情報学/情報: 東京大学教養学部テキスト(ひと仕事する前には,手指のストレッチをしよう。)

informationstudyMLで,少し前話題に出た本,読んでみました。

東大式 絶対情報学

東大式 絶対情報学

著者の伊東乾先生は,日経BPオンラインでコラムを連載されていて,lionusはその読者です。
コラムの中に,東大で一般教育としての情報教育科目をもたれている(いた)ことがうかがえる内容はありましたが,ご著書についてはMLで話題になるまで知りませんでした。

東京大学全学必修・文理共通科目「情報」の最先端カリキュラムを初公開!情報の達人になる秘訣を完全伝授

http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E5%BC%8F%E7%B5%B6%E5%AF%BE%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%AD%A6-%E4%BC%8A%E6%9D%B1-%E4%B9%BE/dp/4062133717

と,紹介文にはありますが,東京大学教養学部テキストは,

情報: 東京大学教養学部テキスト

情報: 東京大学教養学部テキスト

だそうで,伊東先生のご本は,伊東先生が授業で実践しておられる内容の一部と,実際に読んで理解しました。
川合慧先生による本来のテキストも読んでみましたが,アカデミックな「情報学」の広く浅くの堅実な概説との印象を受けました。
確かに,こういう本は必要でしょうが,伊東先生のご本からうかがえる「情報」の授業とは方向性が完全に行き違っていると感じました。
伊東先生は,いわゆる「情報リテラシー」という言葉で示されている内容を包含しつつ,コア・コンピテンシー,言い換えれば,情報を活用して新たな価値を創造し社会に貢献する人間を育てようという野望がひしひしとうかがえます。
informationstudyML内では話題にちらりと出たのみで消えてしまいましたが,lionusとしては自分がいわゆる「情報リテラシー」科目でやりたい,やろうとしていることの方向性に随分重なるところもあり,血湧き肉躍る気持ちで読めました。
日本語での「情報」は"information"と"intelligence"に本来分かれていると説かれているのは嬉しかったですし,さらにその先のコンセプトとして"integrate"なるものが示されているのは新たな気付きでした。
フルーエンシーなんて言うよりも,ずっとカッコいいと思うのですが。