図解でわかる部門の仕事 経営企画部(「インテリジェンス」を取り扱う部署。)
- 作者: 丹羽哲夫
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 単行本
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本書では,経営企画部を5タイプに分類しています。
- 参謀型
- 事務局型
- 中央官庁型
- 書記局型
- 特務機関型
このうち,1と4,5がまさに「インテリジェンス」を取り扱う部署であるといえるでしょう。
「立場上からも,命令権はなく」,しかし,「別の表現をすると,”権威”として尊重される」と書かれているのも「インテリジェンス」部署っぽいです。
会社の中長期的戦略を作り上げ実現させる部署としての「重要な仕事の進め方」について書かれている第3章(全体の7割くらいを占める)の中身みっちり具合がすごかったです。
ただ読むだけで,こりゃー大変だー,鳥瞰虫瞰,鳥の目と虫の目を持っていてなおかつ,多彩な要素をまとめあげる底力が必要だわー誰もができる仕事じゃないと思いました。
第4章では経営企画スタッフに必要な8つのスキルについて説明されています。
- 情報源の開発
- 情報の信頼度評価
- 情報解析
- コンセプチュアルスキル
- 計画化スキル
- ビジュアル化
- プレゼンテーション
- 人間関係構築
少し前,コンピテンシーについて調べたり検討したりしているときに,認知的なコンピテンシーとして,「分析的思考」と「概念化思考」はいつも出てくるのですが,どうも後者は複数の能力・資質からなる複合体のような気がしてなりません。
本書の「コンセプチュアルスキル」は,「概念化思考」と同じものだと思いますが,訓練すればすべからく伸びる,というものではなさそうに見えました。
諸事実と物語られる事象からアイディアを案出する。案出したアイディアを中心概念(コンセプト)で再編集していく。これは,コンセプト・シートとしてまとめる。
コンセプトを生み出し,事実と事象を再編集していくコンセプチュアルスキルは,経営企画部メンバーでも能力ある者にしかできない。年齢や経験では推定しえない個人固有の能力でもある。能力ある者を鍛えていく姿勢が大切である。