JSiSE全国大会2日目。

事前に長野市の週間天気予報をチェックしたところ，雨や曇りばかりだったので，折りたたみの雨傘を持ってきていたのですが，前日もこの日も快晴で，日傘を持って来るべきだったと思いました。9月半ばでもまだ日差しは強くて辟易しました。

• 主要5因子性格検査の結果とBlended-Learningでの学習結果との関連を調べた報告がありましたが，それなりに納得できる結果ではありました。勤勉性が高いことは総ページビュー数に関係し，事後テストの成績は協調性の高さと情緒安定性の低さに関連しているという。要するに「まじめ」な学生さんはよくアクセスし，しっかり学習内容を頭に入れようとするということですね。面白いといえば面白いのですが，学習者の性格をどこまで変容可能かは難しいですね。
• 端末室での講義中に，教員が説明をしている間に学生がPCを使うことにより学習に負の影響がないかと調べたところ，PC使用を規制してもしなくても成績には関係がないという結果は興味深かったです。教員の感覚としては，自分が喋っている時に学生がPCを触っていると「気になる（”俺の話を聞け〜♪”byクレイジーケンバンド）」というのはよく分かるので，ふむふむと思いつつ発表を拝聴して上記の結果というのは脱力する反面，ほっとする気持ちも強かったです。PCを使うといっても，講義内容に関係のあるページを調べるとか，メモをとるという「望ましい」ケースもあるわけで，PC使用規制は意欲的な学生のためにならないということです。PCを使い遊んでいる学生は「どうせ」PC使用を規制しても，何か他のことをして遊ぶのではないかということでもありました（苦笑）。
• 一行スクロール（LS）とページスクロール（スクロールさせると1ページ毎に画面が切り替わる；PS）という条件の違いにより，文章中の単語の再認記憶と空間記憶が影響されるかという研究は，この学会では珍しいタイプの発表だと思いました。多分実験心理系の先生だったのだと推察します。結論から言えば，LSの方が再認記憶の成績がよかったということです。発表を聴きつつ，文章を読むのにかかった時間は独立変数ではないのか？と疑問だったので質問したところ，分散がごく少なく，文章を読む時間は個人差が小さかったので，再認／空間記憶には影響しなかったということです。粗いといえば粗い実験だったのですが，モニタ上では一行ごとスクロールして読み進める方がよいということは非常に参考になる結果でした。
• 同じ文章（センター試験の国語の問題）でも紙で見るのとディスプレイ上で見るのとでは違いがあるのではないか，つまりディスプレイ上の文章は読みにくいのではないか，という「素朴」な疑問を調べた実験も面白かったです。実験条件についてlionusが理解不足で，ちょっと詰問するような質問になってしまったのは申し訳なかったと後悔。ただし，刺激の提示順序はランダム化する必要はありますね。この研究の結果では紙の方が成績がよく，また，ディスプレイ上の文章にマーク付けできる条件では紙と成績に差がなくなるということでしたが，さらなる検討を期待しております。
• 上記の発表を拝聴した直後，同時間の別のセッションに急いで移動。研究会のNさんが自作のソフトでモデル化とシミュレーションの授業を行った話を発表されるのを聴きに行ったのです。研究会でも聴いているのですが，やっぱりまだよく分からんです。すみません。その後，同じく研究会のM先生の発表を聴きに先ほど居たセッション会場にトンボ帰りしました。高機能自閉症の子どもさんの支援をするために，アイコンシンボルを使って，事物の解釈の「正解」を学習してもらうことは出来ないか，ということのようですが，そもそもそういった学習が本人の役に立つのか・・・は疑問でした。まだ実際に試してみるところまでは行っていないということで，今後の進展を拝見したいと思います。

懇親会と二次会。

• 会場は豪華でした。
• 信州大の先生のあいさつで，プログラムの表紙は「鏡池」であると言われた後に，「熊が出ます」とおっしゃられた瞬間，Sさんに周囲（ごく一部の集団ですが）の視線が集中したのは笑えました。
• 食べ物は毎年通り量は不足気味ながら，ホテルの格通りおいしかったと思います。でも蕎麦は手打ちがよかった。
• ケーキも速攻無くなっていましたね。女性比率は少ないはずなのになぁ。
• ぶどうゼリーをフォークで食べるのはいかがなものかと思われます。
• 先日の研究会のフォーラムに来ていただいた講師のU先生と，会場でお世話いただいたM先生を含め二次会へ。学会では地元の食べ物が楽しみのひとつですが，どうもおいしい！と思えるものがなかったのは残念。今回はめぐり合わせが悪かったということでせう。