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言語心理学(朝倉心理学講座5)

言語心理学 (朝倉心理学講座)

言語心理学 (朝倉心理学講座)

この方面は全然知らないので、「まえがき」の記述から考えさせれれました。

本書のタイトルは、「心理言語学(psycholinguistics)」でなく「言語心理学(psychologiy of language)」である(本文中でも言語心理学ということばに統一してある)。もともと両者に学問的・内容的な差異はない。現状では「心理言語学」の方が広く使われているかもしれない。ただし本書は、心理学講座の一巻として企画された。そのようなこともあり、ここでは、言語を人のふるいまい全体の中でとらえようとしてきた心理学的研究の成果を、言語の基本的なメカニズム、より広い文脈における使用とその所産、そして、獲得という観点から概観できるようにんした。そのために執筆も、人間と言語とのかかわりを解明するために行動実験というアプローチをとっている方々にお願いした。

Google検索結果から見ると、「心理言語学」は約23,900件、「言語心理学」は約36,600件と、「言語心理学」の方が多そうです。
どちらも内容的には差異はない、とありますが、「心理言語学」は言語学寄り、「言語心理学」は心理学寄りな感じがします。
本書を読むと、サールとか遠い昔の文学部の記憶の彼方にあったものがあちこち呼び出されてきます。この分野は明確に学際的、言語学と心理学両方の心得が必要だと感じます。
また、本書で扱われていたような内容は、心理学研究法の心得がないと研究デザインできないようなものなので、心理学で育った人間が言語学を勉強して取り組む方が効率よいでしょうね。