工学部ヒラノ教授の介護日誌
- 作者: 今野浩
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本
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http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20160418-OYT8T50061.html
本書の内容は上記書評にて必要十分に記述されています。
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- ”ああすればよかった”と、”あんなことをしなければよかった”の後悔二種類。
- ぽっかり空白になってしまった後の虚脱感→「心身症」&妻の記憶で頭がいっぱい状態→頭の中を占有する妻の記憶を執筆で外部記憶装置に吐き出す(ライティング・セラピー?)
p.200
後悔というものを、”ああすればよかった”と、”あんなことをしなければよかった”の二種類に分けた時、19年の介護生活の中で、”ああすればよかった”と後悔することはほとんどない。
(中略)
しかし、出来ることは大体やったし、要求が少ない道子は、無理なことは望まなかっただろう。
p.201
一方、”あんなことしなければよかった”と思うことは沢山ある。その代表は、気管切開手術である。
体力がある人ならば肺炎治癒後穴をふさいで元に戻ることは可能だろうが・・・そのまま長い長い道のりの片道切符になる。
このケースではやらなかったが胃ろうも同様。
p.202 もう一つ、”しなければよかったこと”は、介護施設に入居する前後の肉体的暴力と、言葉による暴力である。この件については、いくら詫びても詫び切れるものではない。
本書を読んで、こわくなったことひとつ。
工学部ヒラノ教授シリーズはこれで最後になってしまうのではないか?