グローバリズムという病
- 作者: 平川克美
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2014/07/25
- メディア: 単行本
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200ページちょっとの分量で文章は明快,さらりと読めてしまいますが,内容は深刻です。
自分の頭の軽さに改めてがっくり。
例えばこんなところ:「グローバル人材」と「ダイバーシティ」の流行
p.48
そもそも,金太郎飴のような同じ顔をした,世界のどこでも通用するグローバル人材なるものと,環境適応のための生物の棲み分けをあらわす多様性というものが同じ企業社会で要請されていること自体,これらの言葉がただの流行の現象であることを明かしているようなものだ。グローバルと多様性は,ほとんど反対概念といってもいいほど隔たった考え方なのだ。グローバリズムは,国家間の障壁をなくす方向に動いている。一方,国民国家とは,発展段階,地勢,文化,伝統などそれぞれの違いを認め合い,尊重し合うという地域間の合意から生まれた。
ガーン。そうだね。セットで喧伝されていることに全く疑問を感じていませんでした。
p.48
別種の生物が同じ空間で相争えば,どちらかが滅亡するか,両者ともに消滅してしまうまで争いは止まないだろう。