lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

メールはなぜ届くのか(私も「今どきメールかよ!」と思いましたが。)

メールはなぜ届くのか (ブルーバックス)

メールはなぜ届くのか (ブルーバックス)

p.201
メールはなぜ届くのか―。
このテーマは,ブルーバックス出版部から与えられた「お題」でした。「今どきメールかよ!」と思ったのを,正直に告白しておきます。

図書館の新着図書で本書のタイトルを見たとき,私も同じことを思いました。
けれども,読んでみると,古きは新しきに通じるというか,今,そしてこれからのそもそもの基盤となっている,インターネットの基本的な仕組みと特徴について平易に,そして包括的に述べられている内容で感銘を受けました。
こりゃあ「ホームページ作成」授業の(あるいは情報リテラシー系科目の)(ぜひ読んで欲しい)参考図書にしたいわ,という感じです。
自分的には本書の内容は既知のことがほとんどでしたが,その既知というのは表面的な”知っている”ということで,だからそれってどういう意味があるのん?という一段上の理解ができてないな〜と,理解の角度が切り替わる面白さがありました。
例えば,

p.194
「運ぶ」「届ける」ための仕組みは持っていても,「拒む」仕組みがないのがインターネットです。これはセキュリティをまったく考えずに基盤技術が作られたためだ,と言ってもいいでしょう。

TCP/IP(+UDP)は知っていて,確かにこう言われればそうだよな!と思うのですが,自分は人にこういう説明の仕方は絶対できません。

p.195
インターネットには,こうした「悪意あるユーザ」の参加を拒む術がありません。無認可・無料であるインターネットは,いわゆる「インターネット犯罪」を助長する仕組みでできあがっている,と言っても過言ではないでしょう。

じゃあ「インターネット警察」とか許認可の仕組みを導入すればいいんじゃない?という感じのことを言う人(学生のレポートとか・・・)もいますが,

p.199
あなたに知識があるのなら,トラブルの原因は究明できる。対処法も考えることができる。つまり,インターネットはあなた自身が管理者なのです。誰もが参加することができて,誰もが管理することができる。これは究極の自由だ,と言ってもいいでしょう。

pp.199-200
わたしたちが日常使用するインターネット―ウェブサイトの閲覧やメールのやり取りなど―は,そんな「自由な」技術基盤の上に成り立っています。

仕様が基本的にオープンだからこそ,皆がよってたかって便利に作ることができたのであり,「自由」を殺ぐことは角を矯めて牛を殺すことになってしまう,といえるでしょう。
いや〜気分転換にちょこっと読んだところ,頭が爽快になりました。

【おまけ】
本書54頁の「図6 WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)」に書かれていたイラストです。

これって・・・小塚さん?
http://bokete.jp/boke/1402286
こちらで使われている画像が元かな?
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC#.E3.82.BF.E3.82.AB.E3.83.92.E3.82.B3