”リトル町田”にまず一勝。
昨日26日の世界選手権の男子SPで,町田樹さんが自己ベストを大幅に更新し,世界歴代3位の98.21点を出して首位に立ちました。
ソチ五輪のSPでは最後の3回転ルッツが抜けて2回転になってしまうという痛恨のミスをしてしまった借りを倍以上にして見事に返してくれました。
SPのエデンの東,FSの火の鳥の振付をされたフィリップ・ミルズ先生に拝まれるwほどの出来でした。
世界選手権前の記事で,
「20年間憧れたオリンピックという舞台に来て、今シーズン一番弱い自分が心の底から現れてきました」
http://number.bunshun.jp/articles/-/802377
と,ありましたが,その「弱い自分」にまず一勝したことに大きな意義があると思います。
先の記事で紹介した『ヒロシマ・ナガサキ 二重被爆』の
pp.268-269
迷いは常に自分の内にある。だから,ファイティング・スピリッツが大事なのだ。
ファイティング,戦うとは,人を殺めることや人に勝つことを指すのではない。困難なことがあってもなお自らを奮い立たせて生きる。「生きる」ことそのものが戦いなのだ。
このくだりを思い起こしました。
明日金曜日のFSで総合順位が決まりますが,昨晩試合終了後にカメラが追っていた,ミルズ先生と真剣な顔で話しながら歩く町田さんを見ると,すでに気持ちはFSをいかに演じるかに向かっている感じがして頼もしく思いました。
メダルの色とか点数とかは副次的なもので,いかに演技しきるかにかかっています。
明日のFSも楽しみにしています。