科学的虚偽検出の最前線(みているのは情動ではなく記憶(の中にある認識)。)
- 作者: 松田俊
- 出版社/メーカー: 多賀出版
- 発売日: 2004/11
- メディア: 単行本
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研究レビューの「第1章 虚偽検出研究の動向」と、日本心理学会で継続的に行われてきたワークショップの記録をまとめた「第2章 ワークショップ」に分かれています。
後者の第2章は、紙上実況中継風で読んでいて大変面白かったです。
本書で自分的に目からウロコだったのは、
p.266
うそ発見、とくにGKTで調べているのは、ウソにともなう情動の変化ではなく、記憶の中にある認識の有無であると考えられております。
ということです。lionusのような門外漢は「うそをついてどきどきしたら反応する(p.185)」、その反応というのが心拍やら手汗やら呼吸とかに出るんだろーなーという認識だったのですが、そうではなく、「記憶の中にある認識の有無」、別な言い方をすれば自我関与の有無(程度)を心拍やらの自律神経系(末梢系)の反応でみようとしているのか、と認識が新たになりました。
また、本書を読むきっかけとなった事象関連電位の利用という点についてはまだまだ研究段階のようだし、実務には難しそうだな〜とも(直感的には)感じましたが、ともかくも中枢系の反応も使えるようにしたいという意味での取組みなのかと自分的には納得できました。