内部告発のマネジメント―コンプライアンスの社会技術 (組織の社会技術4)(「内部申告(内部告発)」の社会心理学的研究。)

内部告発のマネジメント―コンプライアンスの社会技術 (組織の社会技術4)

著者の岡本先生は、郷原先生が委員長をつとめられた、九電「やらせメール」問題の第三者委員会の委員をされていました*1。
「まえがき」で

本書は、内部申告を社会心理学の観点から論じた、本邦初めての書物である。

このように書かれています。確かに心理学分野では「内部申告(内部告発)」をテーマとした研究は見なかったように思いますが、実は経営学分野ではそれなりの研究の蓄積があるそうで、それらを社会心理学的な観点から紹介し再構成されている*2という点で、非常に貴重な示唆に富む一冊だと思います。

*1:7月29日の記事で紹介した郷原先生の『第三者委員会は企業を変えられるか』によると、途中で第三者委員会から離反されたようですが。

*2:その他、本書には著者らの研究グループによる日本の調査の結果も載っている。