コンプライアンス革命―コンプライアンス=法令遵守が招いた企業の危機/「法令遵守」が日本を滅ぼす/組織の思考が止まるとき‐「法令遵守」から「ルールの創造」へ/第三者委員会は企業を変えられるか 九州電力「やらせメール」問題の深層(郷原信郎先生のコンプライアンス本4冊。)
大体20年くら遡ればいいやと古い時代から進めてきた、コンプライアンス付け焼刃のための乱読も、その半分を過ぎ最近のものに近づいてきました。
コンプライアンス革命―コンプライアンス=法令遵守が招いた企業の危機
- 作者: 郷原信郎
- 出版社/メーカー: 文芸社
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 単行本
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コンプライアンス=(単なる)法令遵守ではなく、社会的要請に適応すること、そしてそれを実現するための「フルセット・コンプライアンス」の考え方など、一連の著書で繰り返し主張されていることの原型が本書にはあります。
また、日米の組織内違法行為の違いをそれぞれ、「カビ」と「ムシ」に喩えた説明も載っています。郷原先生はこのような「例え話」が非常に巧みだと思います。
- 作者: 郷原信郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/01/16
- メディア: 新書
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組織の思考が止まるとき ‐「法令遵守」から「ルールの創造」へ
- 作者: 郷原信郎
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2011/02/26
- メディア: 単行本
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「社会的要請への適応」としてコンプライアンスを捉える際のキーワードとして「社会の要請に対する鋭敏さ(センシティビティー)」と「社会の要請に対してセンシティブな人や組織がお互いに力を合わせること(コラボレーション)」の2つが挙げられているのは本書で新しく出てきた点です。
その「センシティビティー」と「コラボレーション」を通じて、副題にもある「ルールの創造」=「ルールを作る」「ルールを活かす」「ルールを改める」というアプローチをとることができる、と読めました。
第三者委員会は企業を変えられるか ?九州電力「やらせメール」問題の深層?
- 作者: 郷原 信郎
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2012/03/17
- メディア: 単行本
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不祥事の原因の調査・分析と再発防止策の提案をするという点で、第三者委員会は確かに役に立つはずであるが、それを生かすも殺すも企業の経営陣次第*1というのが問題だ、と読みました。