lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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動物が幸せを感じるとき―新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド(動物の「福祉」についての本。)

動物が幸せを感じるとき 新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド

動物が幸せを感じるとき 新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド

「あとがき」より:

p.353
死を動物に起こりうる最悪の事態と考える人がいる。放し飼いの犬は、車に轢かれて死ぬこともあるが、他者と触れ合う生活は充実しているだろう。家に閉じ込められている犬は、車に轢き殺されることはあまりないだろうが、飼い主がたっぷり遊んでやったり、相手になったりしてやらなければ、生活の質は放し飼いの犬より低いかもしれない。動物にとっていちばん大切なものは、生活の質だと私は考える。そのために必要なものは三つ、一に健康、二に痛みや好ましくない情動からの解放、三に「探索」と「遊び」を刺激する活動だ。

本書は動物の「福祉」「幸せ」について、動物行動学的見地から述べていますが、動物が「幸せ」でいるためには人間が「幸せ」であることが必要だよなと考えさせられます*1
犬の飼い方本には、犬を群れの「アルファ」にしてはならない、飼い主がの上位に立つ(アルファである)べきだ、的なことを言っているものがあり、そうなのか、と思っていましたが、本書は「アルファは必要か」など、このような「通説」に意義をとなえているなど、考えを新たにさせるような内容満載でした。

*1:追記:本書で主に扱われている「動物」は、ペットや家畜など人間の管理下にあるものだから。