lionusの日記(旧はてなダイアリー)

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討論で学習を深めるには―LTD話し合い学習法(話し合い学習を有益にするのは各人の確実な予習。)

討論で学習を深めるには―LTD話し合い学習法

討論で学習を深めるには―LTD話し合い学習法

  • 作者: ジェロームレイボウ,ジョハンナキッパーマン,ミッシェル・A.チャーネス,スーザン R・ベイシル,Jerome Rabow,Johanna Kipperman,Michelle A. Charness,Susan Radcliffe‐Vasile,丸野俊一,安永悟
  • 出版社/メーカー:カニシヤ出版
  • 発売日: 1996/09/01
  • メディア: 単行本
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初年次教育学会の本を読んでいたら「LTD話し合い学習法」という言葉に目がとまり、興味があったので読んでみました。索引も含めても100ページ余りの薄い本ですが、示唆に富んでおり、行きつ戻りつでなかなかさらっと読めませんでした。

p.23
よく指摘される集団討論の特徴は、方向性がきまっていないということである。

そうなんだよね〜。討論を授業に取り入れることの不安はこれなのよね。どうやって仔羊たちを到達目標まで導くかということが不透明で。

p.23
本来、適切な行動とは教材を適切に討論し、最終的に学習を成立させる一定の手続を展開させる行動である。
LTD過程プランは、集団が討論から学ぶために従うべき、規則的な順序を述べた手続き的な道具である。

LTD過程プラン=LTD話し合い学習法のやり方ですが、話し合い授業が綿菓子みたいに曖昧もこもこ気が付いたら何か口が甘かったけれども何も残っていないよ、という感じにならないようにするための道具なのですね。

p.65
もっとも重要なことは、学生は討論ミーティングのために準備をしなければならない、ということである。
学生は宿題である読書課題の全般的な意味を理解するために、全体を一度読み通すべきである。そして沈黙した集団ミーティングを行っているかのごとく教材に取り組み、討論過程の各ステップで貢献するための準備をしなければならない。

授業がLTDに完全に沿った方法をとらないとしても、予習なしのぶっつけ本番の話し合い授業は、時間の浪費だと思います。
話し合い授業を取り入れることのメリットは、実は学生に授業の予習をさせることにあるのではと思ったりもして。
伝統的な講義形式の授業では予習なんてしないし、さらに復習もまずしませんからね(自分のことを思い返してみても)。
単純に学習時間が増える、ということだけでも「効果」があるといえるかもw