lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

先生、カエルが脱皮してその皮を食べています! 鳥取環境大学の森の人間動物行動学(「将来の夢」は何ですか?と聞かれて即答できますか。)

先日,Tせんせいが初回授業で「将来の夢は何ですか?」と学生にコメントシートへの記入の形で問うたところ,

  • 好きな人と結婚して幸せな家庭を作る
  • 家族仲良く暮らす

などのような回答ばかりで,もっとスケールが大きいというかオモシロいヤツはいないのか!みたいなことをおっしゃっておられました。
何というか半径50cm以内しか考えていないというか・・・そういう感じですね,と感想を述べたところ,lionusさんは将来の夢を尋ねられたらどう答えるかと言われました。
それに対し,問われて答えられるような「夢」はないです,と答えました。
実際,目の前の現実にただただ対峙しているだけで,将来自分がどうするとか,どこに行くとか,絵が描けません。
これは子供の頃からそうでした。
ただひとつ,自分ひとりでも何とか金銭的に困らず暮らしていければいいなという思いはありましたが。
こんな会話の後で,本書を読みました。

先生、カエルが脱皮してその皮を食べています! 鳥取環境大学の森の人間動物行動学

先生、カエルが脱皮してその皮を食べています! 鳥取環境大学の森の人間動物行動学

研究とかいった仕事の種類に無関係に,「(反社会的でない)仕事などを行いながら,人生を黙々と前向きに生きていくこと」,そして「それ自体に充実感を感じること」を,私にとっての人生最大の目標と考えている。」

あー。いいですね。私も同感です。もしかすると頭の奥底では同じことを思って生きてきた気がします。

しかし,そういう生き方は,動物行動学的な視点からも賢明な生き方と言えるのである。

この部分はよく分かりませんが,あまり遠く広くあれこれ気を回すのはストレスフルなのかもしれません。

話は変わるが,私は,夏や冬,ともすれば体がだるくなったり,何をするにも気力がわかなくなったり,あるいは,人生のなかで安易な成果を求めてそれが満たされずにイライラした気分になったときなど,「よし!」とつぶやいて,野に出て,”体を動かす作業”をすることにしている。
たとえば冬ならば,川に行く。
川へ行ってウェダーをはいて(ウェダーというのは,長靴とズボンとタンクトップシャツがくっついたような水中作業着である),たも網で水辺の水底をすくい,スナヤツメやアカハライモリを探すのである。黙々と。

空気が零下になるような寒いときでも,私は水辺に行って,たも網を振るのである。すると,脳と心は温かくなり,目の前の作業に集中し,気持ちが透明になる。人生を,ただ,黙々と前向きに生きるような境地になるのである。

ボディワーク,マインドフルネス,といった言葉が頭に浮かびました。
他にもよさげな言葉がある気がしますが,イメージ的に,頭に”気”がのぼってしまっているのを,すぅっと降ろすような,そんな感じです。

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夢とかビジョンとか考えるよりも,目の前の現実に没入するのでいいんじゃないかな。
他の人のことは知りませんが,lionusはそーいうタイプだと思いました。