Wordには罠がいっぱい。

「情報(リテラシー)のせんせい」をしていると，卒論とかレポートとかでPCに関し困っている学生さんにたまたま見つかって”つかまって”しまうことがあります。
少し前に，卒論をWordで作成して困ったことになってしまい，助けを求められたケースについて，かなり珍しいというかこれはなかなか解決策は思いつかないだろうということがあったので，備忘録代わりに書いてみます。
Wordで，ヘッダー中央にページ番号を挿入したところ，こんな具合になってしまうという訴えでした。

まずは，フッター位置の設定を疑いました。
でも，フッター位置は無関係でした。
ええっーと思い，あれこれ見てみたのですが，何が何だか分かりません。
これはいかんともし難いと途方に暮れながら，ふと本文の段落詳細を見てみると，行間がなぜか「0.25行」に設定されていることに気が付きました。
行間が「0.25行」に設定されているということは，行間がマイナスということで，文書内でそれぞれの行が重なり合うことを意味します。
しかし，本文は，特に各行が重なり合っている様子は見えません。
Wordでの行間の設定は，段落の詳細設定で「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」にチェックを入れている場合，どのように設定しても行間を「1行(→これがデフォルト)」に設定しているのと同じことになってしまうのです。
だから，本文で行間が「0.25行」に設定されていても，その行間の狭さゆえに各行が重なり合うことなく表示されていたのですね。
・・・もしかして，もしかして，本文だけでなく，ヘッダーまでも行間が「0.25行」になっているのではないと思い，ヘッダーの編集モードに切り替え，さらに，うまく表示できないページ番号部分を選択した状態で，段落の詳細設定をみてみました。
果たして，予想通り，行間が「0.25行」になっていました。
恐らく，本文部分では「文字を行グリッド線に合わせる」という設定が行間設定よりも優先されていたため，行間が「0.25行」になっている効果が打ち消されていたのが，ヘッダーにはその効果が及ばず，行間「0.25行」が効いてしまっていたようです。
早速ヘッダー部分で行間を「1行」に変更したところ，無事にページ番号が表示され無事解決しました。
なぜ行間が「0.25行」に設定されてしまったかは謎(当該学生さん談によると，卒論用の書式設定は友達にしてもらった)なのですが，なかなか不可思議なお話でした。