なぜ起こる鉄道事故(まず止まれ。)
- 作者: 山之内秀一郎
- 出版社/メーカー: 東京新聞出版局
- 発売日: 2000/12
- メディア: 単行本
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鉄道事故とその原因について,最初の鉄道事故にまでさかのぼって国内外の歴史が展開されていて,非常に興味深く読みました。
lionusは,小さい頃から病気とか事故とか,ネガティブなことに妙に興味を示す変なヤツなのです。
それにしても,
生まれたばかりの鉄道の安全設備は信じられないほど不完全だった。とくに安全のために最も大切なブレーキ装置がきわめて不完全だった。鉄道技術者の最大の関心事はどうすれば機関車がうまく動くかにあって、ブレーキどころではなかった。
停めることよりもまず動かすことが問題だったのである。
すでに述べたように最初の機関車には炭水車にしかブレーキ装置はついていなかった。
ナンたることでしょうか。
はてブだったら「これはひどい」タグがつきまくりそうな気がします(笑)
でも,新しい技術が出てきて発展しつつある時というのは,こういうものなのかもしれませんね。
飛行機だって,当初はバンバン墜ちてましたものねえ。
飛行機といえば,鉄道と飛行機の安全設計の違いについて述べられているのは印象に残りました。
鉄道では「危険な時には列車を停める」という考え方が安全の基本思想になっている。しかし同じ交通機関でも、航空機のフェール・セーフは鉄道とは全く違う。停めることが反対に危険だからである。航空機の場合には、どこかに異常が起こっても飛び続けることがフェール・セーフとなる。ジャンボ機の場合には、四機のエンジン中、二機が故障しても飛び続けることができるし、油圧を使った翼の制御回路も、大事な部分は四重、五重の回路にしてあるという。「異常が起きた場合にも必要最小限の機能は残るようにする」ーーこれが航空機のフェール・セーフであり、異常があっても大丈夫という意味で、「フォールト・トレラント」と呼ぶこともある。フェール・セーフといっても、対象によってその意味は全く違うのである。
いわれてみれば当たり前の話ですが,「へえ〜」と思いました。
ところで,lionusがバスに乗っていたとき,運転席のところに「まず止まれ」と赤字に白文字抜きのステッカーが目立つように貼られているのを見て,「うん,大きなバスが動き続けたら人や他の車を轢いちゃうもんね」と納得したことがあります。
でも,飛行機は,止まったら墜ちてしまいますものね。
安全は難しいですね。