lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

15年目にして,初めて・・・

MEGAQUAKE 巨大地震
第1回目が,かなり見応えあったので,阪神・淡路大震災後15年目の1月17日に放映される,第2回もかなり期待していました。
「KOBE 15秒の真実 そのとき地下で何が」
あの時の地震の揺れについては,結構な人が「突然,ドーンときて」と言うのですが,あの朝,

当時は15日が成人の日で祝日,日曜日と重なったため16日の月曜日も休日でしたが,その週末は一睡もできていませんでした。
別に連休で遊び倒していたわけではありません。
あの時はどうしても寝つけなかったのです。
確かにlionusは夜更かしですが,まる二晩眠れないということはまずもってありません。夜眠れなくとも昼には睡魔に屈します。
あの時もベッドの中で「ああもう6時前だ。今日1限あるのにどうしよう。寝ないとさすがに今日はきついぞ。」など暗闇の中でぼんやり考えていたら,全身が突然大きく揺さぶられだしました。
「あ,地震だ」
布団の中にもぐりこみ,頭を抱えました。

http://d.hatena.ne.jp/lionus/20070117#p2

ベッドの中でまんじりとせず,一睡もしていなかった自分は,最初「カタガタカタガタ」と,そんなに大きくないけれども妙に確実な揺れから感知しました。
最新の地震科学の知見から,あの日の揺れについて,最初は小さな衝撃から始まり,続いて大きな2度の衝撃波があったなど,今まで知らなかった,けれども当時の生の体験を裏付けするようなデータを提供していたのには,「そうそうそう,そうなんだよ!」と膝を打つ思いでした。
なので,番組の最初からぐいぐい引き込まれて観てしまったのですが・・・
自分は震災を研究テーマとしていた(いや,まだ,している!)ので,なるべく知的に客観的にこういう震災関係の番組は観ようと努めるのですが,今回は,15年目にして初めて,阪神・淡路大震災関連のNスペで,号泣しました。
どうしてだか,理由はよく分からないのですが,今回のNスペは,とても生々しいというか,精密なCGが,ただ綺麗なだけでなくて,被災者そのものの肉体や体験のディテールに迫真するために使われていたような気がするのです。*1
lionusは,震災翌日の18日晩には,震度7の地域を脱出してサッサと実家の広島に逃げ帰ったので,本当に,震災の過酷さはほんの初っ端しか知りません。でも,そんなlionusでも「あああ,そうそうそうそう・・・」と思わせてしまう,等身大の生々しさが画面から伝わってくる感がありました。
ところで,震災関係でCGが多用されるのは,9月1日の「防災の日」恒例の”大地震Nスペ”ではおなじみです。
ここ数年,綺麗なCGで,あんなこんな被害が起こりますですよ!と恐怖を煽るNスペの画面を見る度に,そのどこか綺麗な壊滅さに,ふっと白けてしまう自分を感じていました。
ところが,2009年に放映された「首都直下地震 見逃された危機」を観た時に,「これはちょっと違うかもしれない」と感じました。
破壊的に端正なCGではなく,「対策に取り組む現場への取材、被害想定のミニドラマ」により,もし首都圏に巨大地震が起こったら,シャレでなく,こんな生々しい現実的な困りごとが起こりますよ!という感じの伝え方だったからです。
したがって,ちょっと今年の防災の日Nスペは,いつもと違うかもしれない・・・NHK本気?と思ったのです。
今度のMEGAQUAKEシリーズを観るに,NHK地震に本気というのは,ひょっとしたらひょっとするかもしれません。
あんまり東の都には行きたくないかもしれないです・・・・

*1:CGと実写?を巧妙に組み合わせていたのだろうか,倒壊家屋の下敷きになった方の,埃まみれの顔や,手,そしてその方を助け出そうと必死に瓦礫を取り除く近所の人の手が傷だらけで血がにじんでいるリアルさ・・・ああ,その後で,その手を洗う水はあったのだろうか・・・と当時の状況に引きつけて思ってしまう。