lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

ライダー版タロット「正義」のカードにそっくり。


大学図書館の中を歩いていたら,カレント雑誌の棚に並んでいるのを見て,思わず手にとってしまいました。
なぜ,「思わず手にとって」しまったのかというと,ライダー版タロット「正義」のカードの図柄とよく似ていたからです。
細かいところでは違いはありますが,ローブを着て,剣と秤を持っているのは共通しています。
lionusにとって,タロットの図版と学術(?)*1雑誌表紙が「そっくり」なんて,あまりにも衝撃的だったので,タイトルにある記事,"Victim and execution impact statements: What judges should know about case law and psychological research"を読んでしまいました。
法学の英語論文なんて読んだことがありませんので,用語には分からないものもあり,正確に読めているかどうかは疑問ですが,lionusが読んでもなかなか面白い内容でした。
この論文には,VIS(Victim impact statements)とEIS(Execution impact statements)という単語が頻出します。
VISは,近年日本でも被害者裁判参加制度などと言われている類のものかと思いました。被害者が犯罪により受けた「傷」を法廷で証言するというものです。一方,EISは被告の人柄等に関する証言だそうです。「情状酌量」を引き出す類の証言のようですが,被告の家族によるものなど,突っ込んだ内容もあるようです。
当該論文の主張は

  • VISは積極的に取りいれられるようになっている一方,EISはほとんど考慮されないバランスの悪さがある。VISを積極的に実施することは,被告のみならず,被害者にとっても利益にならないことがあると指摘。慎重に行なうべきものである。

みたいな感じのようです。
アメリカの雑誌でこのように言われているなら,被害者裁判参加制度とかいっている日本でも,早晩このような主張が出てくるんだろうな〜と思いました。
その他,VISの裁判官や陪審員に対する心理的インパクトなど,心理学的な研究が引用されており,法学と心理学がクロスする分野,こんな研究もあるんだなと興味深く思いました。
日本でも法と心理学会なるものがあるようですが。*2

*1:専門外なので,どういった位置づけの雑誌かよく分からないのです。

*2:以前からJPA全国大会でも目撃証言に関するWSなどあるのは知っていましたが・・・