lionusの日記(旧はてなダイアリー)

「lionusの日記」http://d.hatena.ne.jp/lionus/としてかつてはてなダイアリーにあった記事を移転したものです。

私は逆に裁判員制度PRドラマと思っていましたが。

NHKの裁判官ドラマは究極のPRだったかも?NBonline
ジャッジ〜島の裁判官 奮闘記」についての記事です。
lionusもNHKの番宣を見て「面白そう!」と思い,全5回ともちゃんと観ていました。*1
ストーリーが複線的(主人公の裁判官の家庭の危機と仕事における転機,そして島で起こる事件)でありながらよく練られ構成がしっかりしていたので,非常に面白かったです。
南の島が舞台という視覚的美しさに加え,困ったことが起こる(ドキドキ)→主人公の真摯な奮闘(感情移入)→単純なハッピーエンドではないが,四方じんわりと丸く収まる(よかった,安心)といった流れがほぼ毎回の中で成立しており,土曜の晩に自宅でじっくりと腰を落ち着けて観ることのできるドラマでした。
上記記事からドラマのあらましを引用します:

都会でエリートとして仕事に没頭して家庭を失いかけていた男が南の島(大美島は架空の島で奄美大島・喜界島が実際のロケ地)に突然転勤になる。
ここでの新しい生活の中で、島独特の言葉や生活習慣に戸惑いながらも、裁判官として様々な問題に真正面から向き合う中で自分自身、家族、同僚との関係を見つめ直していく。

上記記事では,このドラマについて「新しい切り口で裁判を扱った」という点に注目しています。

このドラマが印象的なのは、今までにない新しい切り口で裁判を扱っているところです。(中略)
弁護士が主役の映画やドラマは多数ありましたが、裁判官が主役の質の高い物語はあまり記憶にありません。(中略)
今回の設定のように裁判官が主役だと、裁判という制度そのものが必然的にフォーカスされていきます。
主人公の三沢恭介は、知財という極めて専門性の高い分野での知識は豊富でも、離婚調停、少年事件、民事再生手続き等は、すべて初めての経験という設定で、各事件の裁判制度そのものについても、かなり詳しく触れられています。(中略)
ドラマの中では裁判員制度については、何も触れられていませんでしたが、裁判そのものへの興味が、結果的には新しい裁判の在り方を考える、いいきっかけになりました。(太字はlionusによる)

そうなんです。だからlionusは,もう少しで始まる裁判員制度のPRの意味も含まれているのなかと思いつつ,このドラマを観ていました。
この記事の筆者は

政府広報のような分野では、大量の広告や啓発活動とは違った切り口での、こういったコミュニケーションの手法が、極めて有効であることに気づかされました。もっとも今回は誰かが意図的に仕掛けたものではないとは思いますが・・・。

と書かれておられますが,最後に

ドラマ“ジャッジ”ですが、よくよく考えてみると、内閣府はじめあれだけの強力な権力を持つ行政機関が協力すれば、裁判員制度普及の戦略としてNHKにオリジナルのドラマを作らせることも決して不可能ではないのかもしれないという気がしてきました。

とまとめておられるように,「仕掛け人」は居るのではないかと勘ぐってしまいます。
ただし,その勘ぐりが当たっているかどうかを確かめる術が分からないのは残念ですが,いずれにしてもドラマは面白かったので,ぜひ続編を作って欲しいです。

*1:lionusは飽きっぽくて忘れやすいので,連続ドラマはしばしば見逃してそれをきっかけに見なくなることが多い。